会場も華やかな雰囲気につつまれています。
夜の部に行ったので、演目は、次のとおりでした。
- 猩々
- 秀山十種の内 二条城の清正
- 玩辞楼十二曲の内 廓文章 -吉田屋-
- 雪暮夜入谷畦道 -直侍-
「二条城の清正」で、松本幸四郎とその孫の金太郎が
共演していて、
金太郎は10歳なのに、けっこうな長ぜりふをよどみなく
こなしていて立派だったとか、
書きたいことは、いろいろある中で、特筆すべきは
やっぱり玉三郎です。
花魁(おいらん)の「夕霧」役で出演しています。
おいらんとは、吉原遊廓の遊女の中で地位が高い人です。
まず、この話のあらすじを紹介します。引用元はこちら。
夕霧が、座敷の中で、追いつ追われつしながら、
いちゃいちゃする場面です。
こなしていて立派だったとか、
書きたいことは、いろいろある中で、特筆すべきは
やっぱり玉三郎です。
1. 廓文章 -吉田屋- あらすじ
今回、玉三郎は、くるわぶんしょう(通称「吉田屋」)に、花魁(おいらん)の「夕霧」役で出演しています。
おいらんとは、吉原遊廓の遊女の中で地位が高い人です。
まず、この話のあらすじを紹介します。引用元はこちら。
遊びざんまいの結果、親から勘当を受けた伊左衛門
(いざえもん)は、みすぼらしい姿で、久しぶりに
恋人の夕霧(ゆうぎり)のいる吉田屋を訪ねます。
夕霧は他の客の相手をした後、やっと伊左衛門のもとに
やってきますが、伊左衛門は嫉妬して夕霧をののしります。
やがて勘当がゆるされたという知らせとともに千両箱が届き、
伊左衛門は夕霧を身請け(みうけ)します。
2. 玉三郎の花魁すがた
この物語のクライマックスは、久しぶりに会った伊左衛門と夕霧が、座敷の中で、追いつ追われつしながら、
いちゃいちゃする場面です。
玉三郎の夕霧(引用元) |
この作品では、義太夫・清元といった、三味線・朗読部隊が
大活躍します。話のスジは、彼らによって語られます。
そのため、主人公たちのセリフは最小限にとどめられて
いるのです。
そのおかげで、伊左衛門の「やさ男」っぷり、そして、夕霧の
気品がきわだちます。
今回見た玉三郎の夕霧は、豪華絢爛な衣装で、正月の
演目らしい華やかさをいろどっています。
もちろん、玉三郎の体の反らしかた、身のこなしによって、
花魁としての、優美さ、気品が舞台の上であふれていて、
夢の世界にひきこまれてしまいました。
思えば、祖母といっしょに、私が二十年近く前に歌舞伎を
見はじめたとき、玉三郎の花魁すがたのとりこになって
しまったのです。
今回の舞台で、そんな思い出がよみがえってきました。
正直、玉三郎のセリフ回しには衰えを感じてしまう今日このごろ。
しかし、天女を思わせるような立ち姿は変わらぬ気品を
たたえているのでした。