1. まずは選挙の状況を振り返り
主な候補者を、おさらいしておくと
- 野党=民進党=蔡英文候補
- 与党=国民党=朱立倫候補
クローズアップされていました。
大きな争点の一つが、中国にどう向き合うかということです。
野党は、台湾の自立をめざして、日本に対して友好的にふるまう。
与党は、今までどおり中国と友好的な関係をつづける。
このような違いがありました。
日本国内でも、大きく報道されていたのは、親日的な野党が
政権をうばう可能性が高かったからでしょう。
実際、野党が勝ったようです。
2. 野党の選挙戦術
報道の中で、私が注目したのは、野党の蔡候補を
「萌えキャラ」にしたものが、選挙活動の中で使われていたことです。
こんなふうに。
こんなふうに。
台湾総統選、若者にアピールするため候補が自らを萌えキャラ化 pic.twitter.com/T3NMy4XdGu
— れーる (@kdjtr) 2016, 1月 16
日本の中の選挙戦で、萌えキャラを使うなんて話は、聞いたことが
ありません。非常に驚きました。
萌えキャラといえば、若者のためのアイドル(偶像)です。
おそらく台湾でもそうなのでしょう。
それだけ、若い世代の注目を引き付ける必要があったのだと
考えられます。
野党の主張は、「中国から台湾が自立することをめざす」ということです。
この主張は、多くの若者の意識と同じだそうです。
(逆に、年配の人は、中国に寄り添いたい人が多いらしい。)
それであるならば、野党の候補者が、若者の支持を集めるために
萌えキャラを使うことも、納得がいきました。
では、若者の支持を集めただけでも、選挙で勝てるものなの
でしょうか。
ふと気になって、台湾には若い世代がどれくらいいるのかと調べて
みました。
日本と比べた結果は、次の図の通りです。
20歳以上の人口を比べています。
有権者にどの世代が多いか |
(クリックすると拡大します)
このように、台湾では、20代と30代が、有権者全体の40%ちかくに
なります。
一方で、60歳以上は、20%を少し超えるくらいです。
若者の投票率が、高齢者に比べて多少低かったとしても、若い世代の
声をくみとることが重要であるとわかりました。
なお、今回の選挙では、野党候補が、与党候補の倍以上の票を
集めているようですから、
40代以上の人も野党を支持したのだと考えられます。
※注
台湾の人口は、このページの「二、戶政 01.人口年齡分配」を
参考にしました。2014年末時点
日本の人口は、このページを参考にしました。2015年12月時点
人口には、有権者ではない移民を含むかもしれませんが、
日本も台湾も外国からの移住者は人口の2%程度なので、
結果には大差がないと思われます。