2016/05/25

ふるカフェ系 ハルさんの休日「神奈川県 小田原」

今日おとずれたのは、北条氏が開いた小田原城の城下町、小田原です。

昔は、大工町と呼ばれていた地区にあるのは、築80年、さわやかサイダーが味わえる商家カフェ。その名は、nico cafe (住所は、小田原市栄町2丁目15−26です。)

このカフェは、出桁造り(だしげたづくり)という構造で建てられた、2階建ての家です。出桁とは、軒(のき)を大きく張り出すようにした家の建て方をさします。出桁造りの例

2階は、レンタルスペースだそうで、カフェではないのですが、正統派の和室といった感じ。立派な床の間を見ることができました。

小田原の梅で作ったサイダーがお店の売りです。

小田原の梅の栽培は、500年前、北条早雲の時代にさかのぼることができます。戦国時代には、梅は戦争に携帯するための食べ物だったらしい。

このお店では、オムライスやから揚げ定食といったランチメニューがあります。また、かまぼこ自然薯(じねんじょ)揚げという新名物を売り出しているのも面白い。現代人のかまぼこ離れに危機感をもって、小田原の人はいろいろと工夫しているようです。

小田原では、関東大震災や空襲、高度経済成長をへて、つぎつぎに古い建物が失われていきました。このカフェのある建物も、飲食店などオーナーが変わるたびに、手を加えられ昔の面影が失われていました。そこにきたのが、今のカフェのオーナーです。

建築家であることを生かして、仲間と協力して、建物の再生に取り組みました。そして、もとの商家としての家構えを復元することができたのです。

この商家は、もともとは建具屋さんのもの。建具屋さんが自分たちで建てた思いのこもった家なのでした。

古い地図をみると、このカフェのある一帯には、ほかに左官屋さんや畳屋さんがあったそうです。大工町という昔の町の名前にも、納得。小田原の歴史の重みを感じる放送でした。


次回は、御柱祭りで有名な諏訪町のカフェ。カフェと自転車との意外な接点が見つかります。