昔は、大工町と呼ばれていた地区にあるのは、築80年、さわやかサイダーが味わえる商家カフェ。その名は、nico cafe (住所は、小田原市栄町2丁目15−26です。)
このカフェは、出桁造り(だしげたづくり)という構造で建てられた、2階建ての家です。出桁とは、軒(のき)を大きく張り出すようにした家の建て方をさします。出桁造りの例
2階は、レンタルスペースだそうで、カフェではないのですが、正統派の和室といった感じ。立派な床の間を見ることができました。
小田原の梅で作ったサイダーがお店の売りです。
小田原の梅の栽培は、500年前、北条早雲の時代にさかのぼることができます。戦国時代には、梅は戦争に携帯するための食べ物だったらしい。
このお店では、オムライスやから揚げ定食といったランチメニューがあります。また、かまぼこ自然薯(じねんじょ)揚げという新名物を売り出しているのも面白い。現代人のかまぼこ離れに危機感をもって、小田原の人はいろいろと工夫しているようです。
小田原では、関東大震災や空襲、高度経済成長をへて、つぎつぎに古い建物が失われていきました。このカフェのある建物も、飲食店などオーナーが変わるたびに、手を加えられ昔の面影が失われていました。そこにきたのが、今のカフェのオーナーです。
建築家であることを生かして、仲間と協力して、建物の再生に取り組みました。そして、もとの商家としての家構えを復元することができたのです。
この商家は、もともとは建具屋さんのもの。建具屋さんが自分たちで建てた思いのこもった家なのでした。
古い地図をみると、このカフェのある一帯には、ほかに左官屋さんや畳屋さんがあったそうです。大工町という昔の町の名前にも、納得。小田原の歴史の重みを感じる放送でした。
次回は、御柱祭りで有名な諏訪町のカフェ。カフェと自転車との意外な接点が見つかります。
次回は、御柱祭りで有名な諏訪町のカフェ。カフェと自転車との意外な接点が見つかります。