久しぶりに始まりました、『ふるカフェ系 ハルさんの休日』。ハルさんが、ふるカフェ、つまり、古民家を生かして営業しているカフェを訪れる番組です。
今回は、特別番組ということで、1時間放送され、2カ所のカフェを訪れました。
金沢には、茶屋街(ちゃやがい)と呼ばれる地区があります。ひがし茶屋街、主計町(かずえまち)茶屋街、にし茶屋街と分かれています。
まず、番組で紹介されたのは、ひがし茶屋街。1820年にできた金沢最大の茶屋街で、国の重要伝統建造物保存地区になっています。
茶屋というのは、芸妓さんがいる店のことです。昭和30年代には、60軒以上の茶屋があり、200人以上の芸妓さんがいました。
次に、主計町茶屋街を訪れます。「かずえまち」と呼ばれているのは、加賀藩士、富田主計の屋敷があったからです。ここは、浅野川沿いにあり、明治初期に形成されました。
この主計町茶屋街を歩いていると、細かい格子が特徴的な建物がありました。
その格子は、木虫籠(きむすこ)と呼ばれています。外からは中が見えにくく、中から外がよく見えるのが特徴です。
1軒目の店の名前は、土家。住所は、金沢市主計町2-3です。
この記事のように、日本建築学会の広報誌にも取り上げられるくらい、見ごたえのある建物です。
内装は、1階もすてきなのですが、2階が特に目を引きます。「ベンガラ」で真っ赤にぬられた床の間が素晴らしい。
窓からは、ゆったり流れる浅野川と、対岸の建物を見てなごむことができます。
お店では、サービスで、棒茶(茎だけを使った番茶)と栗蒸しようかんがついてきます。すごい気前の良さ。
予約すれば、仕出し弁当も食べられるそうです。
金沢には、この店のような茶屋のほかにも、町屋・民家・武家屋敷があり、1950年以前に建てられたものを、「金澤町屋」と呼んで保存しています。
町屋研究会というものもあり、カフェ「土家」を修復したのも、この会のメンバーの人です。
町屋研究会の人たちに教えられて、ハルさんが、次に向かいました。2軒目のお店は、明治末期の黒い門の古民家です。
長町武家屋敷跡という一角に、そのお店があります。長い土塀や石畳の小道が続くこの場所に、大きな屋根の建物が見えてきます。
その屋根は、切妻造りで、白壁に格子が入ったデザイン。「あずまだち」と呼ばれます。そんな和風の建築の中に、カラフルなエスニックのドアがあったり、金ぴかの仏壇があったりする不思議な建物です。
店の名前は、「くらげが雲になる日」。住所は、金沢市長町2-6-5です。
ハルさんが注文したのは、プーパッポンカリーというメニュー。タイでよく食べられているカニを使ったカレーです。
作り方は、香箱ガニ(メスのズワイガニのこと)を使います。カニの卵をカレールーと鶏卵に混ぜます。あとは、カニの身と季節の野菜といっしょに炒めるだけです。
見ているだけでお腹がすいてきました。
2階に案内されると、そこには、渋い青色の壁がありました。群青壁とよばれ、ラピスラズリを使った青い顔料で塗装する金沢独自の壁です。
群青壁は、藩主の前田斉泰(なりやす)が始め、武士や豪商の間に広まりました。
金沢のふるカフェでは、赤い壁・青い壁と対照的な2軒を見ました。どちらも金沢の特徴的な色です。
伝統を守りつつも、革新的なものを生み出してきた金沢。そのふところの深さを見ることができた旅でした。
最後に、番組で紹介された金沢の建造物を並べておきます。
尾山神社 神門(国の重要文化財)
金沢21世紀美術館
石川四高記念文化交流館
鈴木大拙館
金沢蓄音機館
子どもを連れて、いつか金沢に行ってみたいなと思いつつ。ではでは。