2017/04/10

ふるカフェ系 ハルさんの休日「京都・西陣」 誰もが名前を知っているこの町が、新しく生まれ変わっている

レギュラー放送が、ふたたび始まりました。「ふるカフェ系 ハルさんの休日」
正月の特別番組では、金沢に行きました。それを見て、魅力的な放送だったので、またいつか毎週見たいなと、心待ちにしていました。

今日訪れたのは、京都・西陣にある築90年、国の登録有形文化財カフェです。店の名前は、「さらさ西陣」。(お店の公式サイトにリンクします)

住所は、京都市北区紫野東藤ノ森町11ー1  です。京都駅から北に7km、大文字山を望む場所にあります。京都御所からみると北西にある店です。

お店の玄関の屋根は、唐破風(からはふ)です。唐破風とは、日本で生まれた流線型が特徴の屋根で、お寺や城によく使われる形です。軒下には、曲線の木材が使われています。これを茨垂木(いばらだるき)といい、見栄えをよくするための造りです。

また、梁には模様が彫られ、優美さを際立たせています。虹梁(こうりょう)と呼ばれる技法で、お寺の建築でよく見かけます。

このお寺みたいな建物が、元は、どんな使われ方をしていたのか気になります。

建物の中に入ると、天井は、格天井(ごうてんじょう)になっています。壁には、緑色のタイルが使われ、ピンクがかった赤色の花が描かれています。このタイルは、マジョリカタイルと呼ばれ、近代イギリスで生まれた装飾タイルです。日本では大正から昭和10年代まで生産されていました。

タイルと、高い天井、大きな吹き抜けから想像できるように、ここは銭湯として使われていました。京都では、平安時代から湯屋と呼ばれる銭湯がありました。昭和の時代には、多い時で350件もの銭湯があったそうです。

ほとんどの銭湯は、宮大工によって作られました。ですから、唐破風があるなど、お寺のような外観をしています。今回訪れたカフェは、平成11年まで営業していた銭湯です。

番組では、銭湯らしいメニューとして、フルーツ牛乳が取り上げられていました。このフルーツ牛乳は、お店で手作りしたものです。牛乳に加えるのは、パイナップル・みかん・桃・バナナの4種類のフルーツと、はちみつ・砂糖。材料をミキサーにかけて完成です。

店で使うランチョンマットは西陣織です。西陣といえば、西陣織の産地です。もちろん、今でも工場が現役で動いています。

時代をさかのぼると、応仁の乱のあと、西軍の陣地の跡に織物職人が集まったことから、西陣織と呼ばれるようになりました。

西陣織は、分業制をとっており、糸を染める専門の人がいます。そのお店は糸染め店といいます。また、糸の本数・長さをそろえる人もいて、整経(せいけい)と呼ばれます。職人同士のコミュニケーションを図る場所として、銭湯がとても大切だったと、思い出話に花が咲きます。

他の多くの伝統工芸と同じように、西陣織も、衰退してきました。そんな中で、街を盛り上げようと、西陣織の工場見学ツアーが行われているのです。 また、このカフェができたことで、雑貨店やゲストハウスなども誕生するなど、波及効果も出ているようです。京都自体が、観光客が増加していることもあり、その恩恵も大きいように感じられました。

このカフェは、お茶だけではなく、ちゃんと食事ができる店です。和定食がおいしそう。京都ならではの白味噌のみそ汁、さわらの西京漬け、千枚漬けなど、見ているだけでお腹がすいてきました。

妻の実家が大津なので、個人的には、京都がすごく身近な存在になっています。西陣はまだ行ったことがないので、このカフェを含め、街並みを楽しみたいと思いました。

ではまた。