2018/03/13

政治の代表をどう決めるか 古くて新しい問題

先日、田端信太郎氏の「誰か、高額納税者党を作ってほしい」というツイートが話題になっていました。

ツイートの詳細とそれに対する批判は、ここにまとめられています。

日本の歴史をさかのぼれば、そもそも選挙権は、高額納税者のみに与えられていたわけです。長い間の反対運動の結果、納税額に関係なく1人1票となったのは、90年ほど前の話です。(納税額の推移は、このサイトを参照しました。選挙権の歴史は、このサイトを参照しました。)

もちろん、その時点では、女性の選挙権はまだなかったわけですが。

納税額に関係なく選挙権が認められていることで、どれだけ社会が安定しているか、ということを考えれば、今の1人1票は、必要な制度です。

そして、国会議員を選ぶ力があるからこそ、国民みんなが税金の負担を受け入れているわけです。

だから、高額納税者の人たちの意見が一致し、自分たちの代表を立てたいという思いがあれば、高額納税者党を作ることは理にかなったことです。そして、高額納税者党の主張が、多くの人を説得できれば、国政を動かすことも可能でしょう。

ただ、問題は、高額納税者党が何を主張したいかという点。特別の主義主張がなければ、単に、「税率が重いのが嫌だ」というわがままでしかありません。

国会の役割の一番大切なことは、税金や社会保障費の負担を国民でどう分け合っていくかを決めることだ、ということを思い出させてくれました。その点で、今回の炎上騒動は、意味がありました。