2016/02/06

ホンハイも必死だな(シャープを吸収する話)

シャープに台湾の企業「ホンハイ」が資金を入れて救済する、というニュースがにぎわっています。

ずっと前から、「ホンハイがシャープにラブコールを送って、シャープがそっけなくする」という構図が続いていました。

いよいよ、シャープも「身売り」するのかと、しみじみした気持ちでいました。
しかし、ここにきて雲行きが怪しくなってきました。

ホンハイ側は、「資金を入れることはもう決まったことだ」と言っているのに対し、シャープ側は、「まだまだ話は始まったばかり」とぐずっています。

株式市場では、シャープへ資金が投入されるとの見込みを好意的にとらえて、シャープの株価は、連日、大きく上昇しています。

ここで、ホンハイという会社がどのような規模の会社かをみてみたいと思います。

現在公表されている最新の財務諸表によれば、2015年の1月から9月までの9カ月間で
  • 営業収益(売上高)は10兆7千億円
  • 純利益は4,000億円
以上のような規模になっています。
売上高に対して、利益は約4%です。薄利多売の会社ですね。

そして、こちらの資料によれば、手元の現金はおよそ2兆2千億円。
シャープへ投じる金額は、7千億円ともいわれていますから、かなり思い切った勝負といえるでしょう。

ホンハイの力があればシャープを救えるかどうかは、未知数なのですから。

そして、気になる数字は、このページで公表されている2015年12月の売上高です。
前の年の12月に比べて、2割以上も減っているのです。

なぜ大きく減ってしまったのか、理由は分かりません。
ただ、このように減少したことが、ホンハイがシャープの実質的な買収に積極的になっている理由だと考えられます。

ホンハイが、今までのようにアップル社の下請けとして、利益の小さい仕事ばかりやっても先が見えない。
そこで、シャープブランドを生かして、利益の出る商品も売っていきたい。

ホンハイの考えは、そのようなものではないでしょうか。

シャープとホンハイで行われているこの綱引きが、2月の終わりまでに、どのような結果になっているか、興味が尽きません。

ではでは。

2016/02/03

冷蔵庫が冷えなくなったとき、庫内の電気は消えていませんか

わが家の冷蔵庫は、庫内の温度が表示されるしくみに
なっているのですが、
最近、その温度があまり下がらないようになって
しまいました。

特に冷凍庫の部分がひどくて、マイナス10℃より高く
なってしまう感じ。凍らせておいた食べ物もゆるゆる
です。

三菱の冷蔵庫なのですが、買ってから12年ほどたつ
ので、買い替えるのも一つの方法です。
ただ、私としては、冷蔵庫はどんなに短くても20年は
使いたいと思っています。

そこで、修理の人を呼ぶことにしました。

来てもらい、冷蔵庫の後ろの部分を見てもらうと、
「基盤が壊れている」との診断です。

修理の人の話では、冷蔵庫の温度は、基盤により
コンピュータ制御されているとのこと。
許容量を超えた電流が流れると、基盤が壊れて
しまい、温度の調節ができなくなるそうです。

そして、この基盤は、冷蔵庫の中の明かりをつける
役割もはたしています。

少し前に、電気の使い過ぎでブレーカーが落ちたときが
ありました。そして、ブレーカーが落ちたまさにその瞬間に、
冷蔵庫内の電球が消えてしまったのです。

したがって、このときに、基盤が壊れてしまったのだと
考えられます。

基盤を変えてもらったら、すぐに庫内灯がついたので、
修理の人の説明におおいに納得したのでした。

修理にかかったお金は、ざっくりと、出張費4,000円、
技術料4,000円、部品(基盤)10,000円で、さらに消費税が
かかり、合計2万円以内でした。

基盤が壊れたせいで、冷蔵庫に霜がついてしまい、
霜がとりきれるまで、うまく冷えないとのことです。
基盤をなおしたといっても、ただちに霜がとれるわけでは
ないので、まどろっこしい。

1日もすれば、霜がとれてちゃんと冷えるようになるので、
もう少し待ちたいと思います。

丸1日たって、確認したら、マイナス18℃になっていました。
ホッとひと安心。


電気の使い過ぎには、注意が必要ですね。
ではでは。

2016/02/02

貯蓄そのものに税金がかかる時代がくる?!

ツイッターを見てたら、こんなツイートが流れていました。

1. 貯蓄税が導入される?

貯蓄税とは、貯蓄そのものに対して課される税金です。

今日のところ、そのほかのメディアでは、報じていないようです。
私は、この「NEWSポストセブン」というサイトが、情報源として
どれくらい正確か、については知りません。

サイトの妄想記事に過ぎないのであれば、現段階では、
この話が具体化する可能性は低いでしょう。

ただ、マイナス金利になって、普通預金の金利がほぼゼロになった
現在だからこそ、「貯蓄税」の可能性もあるのではないかと
感じてしまいます。

こんにちにおいては、引き出し手数料など、預金を減らす手数料が
一般的です。
利息で増えた額よりも手数料などで減っていく額の方が大きい
という現象は、広く受け入れられています。

そこに、課税をしてさらに減らすことに関しては、昔よりも抵抗感が
うすいのではないでしょうか。

2. 貯蓄税のプラスの側面

貯蓄税の記事を見て、私の頭の中にまっさきに浮かんだのが、
磯崎哲也の論文です。

この論文では、預貯金をリスクマネーに振り向けることが
経済成長にとってどれだけ大切なのかが論じられています。
(リスクマネーとは、不確実でリスクが大きいが、成功すれば
高い収益が得られる事業に投入される資金のことを指します。
はてなキーワード」より)

貯蓄税は、現金の価値を下げる働きがあります。
そのため、現金から株式などへお金が流れやすくなるのです。

日銀が、ゆるやかなインフレをめざしている現在、現金の価値を
下げる貯蓄税は、その目的にかなっているといえます。

磯崎氏は、次のようにのべて、預金に対する課税が
ゆるやかなインフレと同じことを起こせると指摘します。
インフレが自由に引き起こせるのであれば、税を新設して
国民に嫌われる必要もない。しかし、現在の環境でインフレを
無理やり発生させても、それが制御できる可能性はほとんど
ないだろう。これに対して、預貯金への課税は、インフレと
同様の効果を持ちながら、税率や課税範囲を変えることで
調節が可能である。戦後のインフレで預貯金が急激に目減りする
状況を目の当たりにしたことのある高齢者の中には、
何%になるかわからないインフレより、コントロールされた
一・五%の課税に納得する方も多いのではなかろうか。
私が初めて、磯崎氏の論文を読んだとき、その内容がとても
合理的であることに衝撃を受けました。
それ以来、預金に対する課税は良いことだと考えています。

今まで、ありえないと思われていたことを、次々と実現している
安倍政権です。だから、貯蓄税実現の可能性も五分五分ではないか
と思っているのです。

【捕捉】
「預金課税」についてのQ&A(磯崎氏のサイト)

オイコノミア「そのお稽古 役に立つ?」

子どもに習わせるおけいこごとって、どんな意味があるのでしょうか。
そして本当に役立っているのでしょうか。

今回のオイコノミアでは、そういったことについて考えます。

ゲストは、つるの剛士さん。6歳、8歳、10歳、11歳の4人の子をもち、それぞれにおけいこをさせているお父さんとして、登場しました。

1. つるのさん・又吉さんが自分のおけいこを語る

まずは、子どものころに何を習っていたかを紹介。
 つるの・・・3歳ころからクラシックギターを父親に習った
 又吉・・・小学校3年からサッカーを始めた

では、二人は、(1)子どものころ、おけいこについてどう感じていたの?
そして、(2)いま振り返るといいことがあった?
 つるの・・・(1)イヤイヤ教えられていた。
        (2)音感やリズム感が養われた。
 又吉・・・(1)初めはしんどかったが、途中から楽しくなった。
              (2)今の人生に生かされている。

経済学では、おけいこには2つの面があると考えます。
ひとつは、今の楽しみのためという「消費」の面。
もうひとつは、将来に役に立つためという「投資」の面です。

子どもが楽しめて、そのうえ将来の役に立てば理想ですね。

2. おけいこの現場で

ここで、30個近いおけいこ教室が集まった子育て支援施設「グロースリンクかちどき」が紹介されました。

どうしておけいこをさせているのか、何人かのお母さんにインタビューしてみます。
  • したいことをやらせる。
  • 自分は泳げないので泳げるようになってほしい。
  • 運動をやらせたい。女の子らしくなってほしい。
  • 字がきれいになってほしい。元気な女の子になってほしい。
そして、つるの家の次女のおけいこスケジュールを紹介。
なんと、1日2時間のおけいこを週5日もやっているとのこと。

それだけやっていると、一体いくら使うのかが気になります。
さすがに、つるの家の「ふところ事情」までは、明かされませんでしたが
番組では、家計に占めるおけいこ費用の割合が紹介されました。

引用元は、ここです
アクサダイレクト生命「 第2回 子どものおけいこ事に関する意識調査」

これによれば、世帯年収に関係なく、平均して収入の7~8%をおけいこに支払っているとのこと。

年収600万円なら、月4万円近くという計算です。すごい金額。

ただし、これは、平均値のマジックだと思います。
1回目の調査をみると、収入の5%未満しかおけいこ費にあてていない世帯が、世帯全体の70%前後を占めています。

ようは、多額のおけいこ費を使う少数派の世帯が、平均値をだいぶ押し上げているのです。

それでも、多くの世帯が、少なくない額をおけいこにあてています。

3. 「5歳までのしつけや環境が人生を決める」

だからこそ、効率的にいい結果になるようなおけいこをさせたいものです。

そこで、経済学では、いつ子どもに教育をさせるか、という研究が注目されています。

代表的なものは、ノーベル賞を受賞したジェームズ・ヘックマンの研究です。
ポイントは、「5歳までのしつけや環境が人生を決める」。

研究内容の詳細を調べようと思って検索しました。
なんと、オイコノミアでおなじみの大竹文雄先生が、ヘックマン氏の
研究を日本に紹介したそうです。くわしくはこちら

研究によれば、5歳までに適切な教育で土台を作ると、その後の能力が身に付けやすいとのこと。

研究の一環として、貧困家庭に育ったアフリカ系アメリカ人の3歳・4歳の子を対象に、教育プロジェクトで学習させます。
彼らのその後を、40歳まで追ってみると、
  • 14歳の基礎学力
  • 高校卒業率
  • 40歳の月給2000ドル(約24万円)以上の率
  • 40歳の持ち家率
などにおいて、プロジェクトで学習していないグループと明らかに差がついたというのです。

ただし、知識をつめこむ学習をすべきというわけではありません。
氏の研究によれば、「5歳までの土台作りは、非認知能力を伸ばすことが重要」だそうです。

非認知能力とは、学力・記憶力といった「認知能力」以外のものです。
具体的には、協調性・やる気・社交性・自制心などがあります。

それでは、非認知能力はどのように伸ばすことができるのでしょうか。
玉川大学の大豆生田(おおまめうだ)啓友教授に、又吉さんが聞いてみました。

教授は、非認知能力を伸ばすためには、たとえば泥だんご作りのような「遊び」が関わってくると考えています。

幼いころの遊びの体験が、小学校にあがってからの「積極的に向き合う力」「将来につながる力」といった力に生かされるとのことです。

ここで、又吉さんが次のような話をしました。子どものころ、自分で新しい遊びを考えて、友だちといっしょに遊び、みんなに喜んでもらったという経験が今につながっているというのです。

又吉さんの話は続きます。
初めはできなかったリフティングも、練習を重ねて600回もできるようになった。
その経験が、何度も本を読んで意味を理解しようとする姿勢につながった。
名作を数多く読んだおかげで、自分の書く文章のおかしいところが分かるようになり、そこを何度も修正することで、良い文章が書けるようになった。

良い文章を書くために、サッカーを始めたわけではないのです。
ものごとに向き合う姿勢そのものが大切なんですね。

大人は子どものために、先を考えて「何かさせなきゃ」って思います。
しかし、子どもにとっては、今、何かに夢中になること、熱中すること、興味や関心を持つことが大切なのだと、教授も指摘します。

4. 続けさせるか? 辞めさせるか?

おけいこの大きな悩みどころですね。
インタビューを受けたお母さんたちも苦労してるみたいです。

そこで、どういうごほうびをあげれば、子どもにとって効果的でしょうか。
  1. 成績が良かったらあげる
  2. 宿題をしたらあげる
正解は、"2"で、すぐ手に入るごほうびが効果的なんだそうです。
その理由は、人間は、将来よりも目先のことを優先させる傾向があるからです。

このことを「双曲割引」と呼んでいます。そして、「双曲割引」は、大人よりも子どもの方により強く見られます。

ここで、子どもにやる気を出させるコツとして、つるの家の天才的な
アイデアが紹介されました。それは・・・

子どもそれぞれに貯金箱を置いて、つるのさんがお金を入れていきます。このとき、子どもの頑張り次第で、貯金箱ごとに入れる額を変えるのだそうです。
そして、それを月1回、子ども同士で見せ合うとのこと。

それでも、子どもがおけいこを続けたくない場合はどうでしょうか。
途中でやめたら、今まで払った分が無駄になってしまう気がします。

このような場合、「すでに支払ってしまって取り返しがつかない」費用のことを、経済学では、「サンクコスト」と呼びます。サンクコストにこだわりすぎると、さらに損してしまうことがあるのです。

向いていないと思ったら、割り切って辞めてしまうのも一つの方法です。
時間やお金をほかのことに使えばいいわけです。

5. おけいこと「文化資本」

又吉さんが、たとえ話をするときに、サッカーを例に出すように、おけいこが自分の「言語」になるという面もあるのです。

仮に職業に結びつかなかったとしても、おけいこが自分の言葉になって生きる糧となります。

このように個人の中に蓄積された文化的素養を「文化資本」と呼びます。文化資本により、人生をより楽しめるというわけです。

つるのさんも又吉さんも、ご両親が共通の趣味を通して出会ったとのこと。
文化資本が、男女を結びつけることもあるんだという話で、番組は締めくくりました。


子どものおけいこという問題は、私にとっても、数年後には向き合うことになるはず。思わず、力を入れてまとめてみました。


次回のオイコノミアは、「モテの極意」。モテるために綾部さんが実践していることとは・・・。