2016/04/16

熊本地震について。遠くで起きたからこそ冷静に考えてみる。

きのうの晩、ニュースウォッチ9を見ていたら、突然飛び込んできた地震のニュース。

地震で身内をなくした方の気持ちを考えると、胸がつぶれる思いです。

一方で、避難所で寒い夜を過ごしている人や、車の中で過ごしている人、避難所にさえ入れず外で過ごしている人もいるとのこと。NHKニュースによれば、地震から丸一日たった8時現在、避難している人は、およそ7700人だそうです。

そんななか、ちきりん氏が、こんなツイートを。



たしかに、自治体の避難計画は、住んでいる人がその場にとどまることを前提に作られているようです。やはり、何があっても住んでいるところから動きたくない人のことを考えて、計画が立てられているのでしょう。

だからといって、例えばホテルなどの快適な場所で過ごしてもらえるなら、そのほうが被災者のためにもなるわけです。

熊本市の場合は、人口70万人を超える大都市で、観光地でもあるので、ホテル・旅館は数多くあります。(少し古い数字ですが、自治体ごとのホテル・旅館軒数)
このような、恵まれた地域で、車中や外で過ごしている人がいるなんて、信じられません。

自治体が、避難所への避難を中心に考えているのは、その方が、効率的だからです。避難生活を支えるための水・食料の保管、生活必需品の輸送を考えれば、小学校のような広い場所に拠点を置く方が運営するうえで都合が良いといえます。しかし、特に夜間の生活環境としては、劣悪になってしまいます。

こうなってしまうのも、避難した人への生活の支援(衣・食・住)を、自治体がすべて丸抱えしようとしているからだといえます。自治体は、避難計画の立案や、避難がスムーズにすすむための裏方に回ったほうがいいのです。実際の衣・食・住の支援の提供は、企業などが持っている資源を、もっと有効に活用すべきでしょう。

熊本市でも、住宅提供の動きがあるようです。

【4月18日追記】
その後、マグニチュード7.3の地震が発生し、広い範囲で強い揺れがありました。気象庁発表
これにより、4月14日の地震に加えて、さらに被害が広がったのです。

この地震は、ちきりん氏も、私も、そして気象庁さえも、予測していなかったわけで。

16日の地震から2日たった現在でも、10万人近い人が避難しているとのこと。ここまでになると、市や県に直接できることは、ますます限られてきます。

現地では、必要な水や食料が行きわたらないということになっているようです。どこにどれだけの物資が必要なのかは、市役所・町役場がもっとも良く把握できるはず。市や町はそのような情報収集に力を入れることで、多少なりとも避難所での生活が快適になるのではないでしょうか。

2016/04/15

オイコノミア「ベストコンディションになる!経済学」を見て。リハビリ的なブログ更新です。

最近、残業が多く、ブログを更新する熱意がなくなりかけていました。年度をまたいで、人事異動により、ものすごい忙しい毎日です。

「ブログを更新するなら、1,000文字くらいは書かないとダメ」といったネットでのアドバイスを目にしていたので、そんな長文は書けないから、更新するのをやめておこうという気持ちに傾いていたのです。

そんなときに見た、オイコノミアは、コミットメントの大切さを強調する内容でした。
コミットメントとは、何かをやろうと思った時や、何かをやろうとする時には、まずやろうとする事を宣言します。そして、宣言することでより責任を持つものにすることです。(引用元)

「必ず毎日ブログを更新する」と、ここで宣言すれば、少しはやる気が戻るのかも。

そうは言っても。宣言しても、さぼる時は、さぼってしまうわけで。

そこで、「小さいことでもコツコツと積み重ねていくことが大事である」。
このことを思い返すことが重要です。オイコノミアで、ゲストの武井壮さんが熱く語っていました。文字数にとらわれずに、更新しようと決めたのでした。

2016/04/13

ふるカフェ系 ハルさんの休日「栃木県 鹿沼」

オイコノミアを見ていたら、古民家カフェを紹介する番組が始まっていたのを知りました。

今日は、鹿沼の「Cafe' 饗茶庵本店」。

古い重厚なタンスなど、木製品に囲まれた落ち着いた雰囲気のカフェでした。
調べてみると、ほかにも日光と鹿沼に店があり、全部で4店舗あるようです。日光珈琲というらしい。

日光に行く機会があれば、行ってみようかしら。

次回は、高崎市の古い蔵を生かしたカフェです。記事はこちら

2016/03/23

オイコノミア「“ズル”い事件の経済学」を見て。ズルをする人とそれを防ぐ人のせめぎあい。

2015年度を締めくくる言葉として、又吉さんが選んだのは、「ずる」です。大きな筆で、力づよく「ずる」と書く又吉さん。(画像は、公式サイトにて)

今年も、企業の不正会計問題、オリンピックのエンブレム問題、フォルクスワーゲンの排ガス規制問題、FIFAの贈収賄問題、横浜のマンションでの「くい打ち」データ偽装問題など、数多くのズルが明るみになりました。
ごく最近では、ショーンK氏の経歴偽装問題が大きな話題を呼びました。


経済学からみるとズルについて、どのようなことが分かるのでしょうか。
その一つは、誰でもズルをする可能性があるということです。

1. ズルされ続けた間寛平さんの「お人よし」エピソード

ここで登場したゲストは間寛平さん。又吉さんが、初めて好きになった芸人とのこと。

寛平さんは、何度もズルをされてしまったのでした。

「歩くはんこ屋」と呼ばれるくらい、すぐ保証人になってしまう。保証人になって背負った借金は6,000万円になったのです。

借金を返そうと考え付いたのが、「アメマバッジ」というバッジを作ることでした。
「アメマバッジ」とは何か―テレビ番組で自分が演じていた「アメママン」というキャラクターをかたどったバッジです。

しかし、その番組が打ち切られるなどして、売れるという見込みは大外れ。630円の仕入れ値で、定価1,500円で売ろうとしたということで、値段が高すぎたのでしょうか。

10万個も作ってもらう契約をしていたので、大量の在庫を抱えることになりました。バッジを作った業者から、製作代金の支払いを求められて、ついには裁判になったのです。そのあたりの詳しいいきさつは、日刊ゲンダイのこのサイトで

2. そもそも人はなぜズルをするのか

この問題について、経済学の考え方で答えを出そうとした人がいます。それが、アメリカの経済学者ゲーリー・ベッカーです。

彼は、「シンプルな合理的犯罪モデル」というものを考えました。それは、どのようなものか。

「ある会議があり、時間ぎりぎりだったので、駐車違反をしないと会議に遅刻してしまう」という状況があったとします。このとき、駐車違反(ズル)をすることで得られるメリットと、こうむる損害(コスト)を比べて、ズルをする価値があるかを計算しているという考え方です。

ズルをすることで得られる利益・・・例えば、会議に間に合うことで自分のメンツが保たれるということ
ズルにより受ける損失・・・駐車違反の罰金(運よく払わないで済むかもしれない)
この利益と損失を比べて、利益の方が大きくなる場合に、犯罪をしてしまうのだと考えます。

この考え方によれば、ズル(犯罪)を防ぐための方法はカンタンです。
駐車違反の場合を例にとると、違反することで受ける損失が利益よりも大きくなるようにすればよいのです。

例えば、
  • 警察官の数を増やす
  • 監視カメラを取り付ける
  • 罰金を高くする
といった方法が考えられます。

この、「シンプルな合理的犯罪モデル」に対して、反論したのが、ダン・アリエリーです。
彼は、行動経済学の面から、疑問を投げかけました。人が罪をおかすときに、そのように冷静に利益と損失を比べているのか疑わしいというのです。

彼は、ズルのメカニズムを解き明かすために、次のような1~4のステップで実験をしました。
  1. 数学の問題を20問、解いてもらう。
  2. 自己採点したうえで、解答用紙をシュレッダーにかける。
  3. 問題を解いた人が、何問解けたか自己申告をする。
  4. 一問正解するごとに1ドル支払う。
このような条件で出題した場合、被験者が自己申告した解答数は、平均7問でした。ほかの人に、条件をつけずに、ほうびもあげずに出題したときは、平均4問正解です。

この実験から、アリエリーは、「少数の悪人がたくさんズルをしたのではなく、多くの人が少しズルをしたのだ」と結論付けました。この実験について、このサイトを参照しました。

寛平さんも、似たような経験があるそうです。
大勢の人を集めて、レースに出てもらい、各自のタイムを自己申告させました。タイムの良い人には、豪華賞品を渡すことにしました。すると、商品を渡す段になって、上位者みんなが「嘘のタイムを申告していました」と告白したのです。

これらのことから、多くの人は、ばれないときでも少ししか嘘はつかないということが分かります。悲しいけど嬉しいともいえます。でも、少しの不正が積み重なると、問題が大きくなってしまうわけです。

3. ズルをふせぐ方法はあるのか

それでは、どのようにすれば、人のズルを防ぐことができるか、考えてみます。
例えば、一緒に暮らしていて、他人のシャンプーをこっそり使う人がいるとき、それを防ぐためにはどうすればいいでしょうか。

又吉さんと同居しているサルゴリラ・児玉さんの告発によれば、なんと、又吉さんが児玉さんのシャンプーをこっそり使っているらしいのです。

合理的犯罪モデルから考えると
  • 監視カメラ
  • シャンプーを部屋に持ち帰る
  • シャンプーを鍵のついた箱に入れる
こういった方法があげられます。でも、大げさだったり、実行するのが難しかったりします。

行動経済学から考えると、どうでしょうか。
行動経済学では、人の道徳心に訴える方法をとります。例えば、シャンプーに目玉のシールを貼って、ズルして使おうという気を無くさせます。こんなシールです。引用元


 









アメリカの実験では、モーゼの十戒を読ませてからテストを解かせると、カンニングが減るといった結果が出ています。

最初に「私は嘘を書きません」ということにサインさせてから、内容を書かせると、正直な申告を促すことができます。

4. おまけ

「ずる」ってあまり、いい響きではないですね。来年は、どういう言葉で締めくくりましょうか、と大竹先生に聞かれて、「うんばらばー」でと答える寛平さんなのでした。