2016/06/09

ふるカフェ系 ハルさんの休日「山梨 甲州」 西東京から山梨ってすぐ近く。

本日おとずれたのは、ワインづくりで有名な甲州市。
目指すお店は、築300年の旅館を改装した喫茶店です。カフェとなった今でも、泊まれるカフェとして人気を集めています。

店の名前は、大黒屋・サンガムcafe。住所は、山梨県甲州市大和町日影49。
ススで真っ黒になった柱が、300年の歴史を感じさせる、重厚な落ち着いたカフェです。

この場所は、古くは駒飼宿(こまかいじゅく)と呼ばれ、養蚕が盛んな地区でした。養蚕とは、繭をとるためにカイコを飼うこと。このカフェは2階にも席がありますが、そこには、かつて養蚕で使われていた、繭から糸をつむぐ機械が展示してあったりします。

山梨では、増えすぎたシカを減らすために、食用にすることがすすめられています。お店では、シカ肉のカレーも食べることができるのです。

なぜカレーが売りかといえば、店主の吉田和江さんは、東京都・国立市でカレー屋を開いていたから。国立駅の北口で、「サンガム」というお店を経営していたそうです。国立のお店についてのレポートはこちら

吉田さんが甲州に移住してきたことを取り上げた記事もあります。こちら

甲州では、ワインづくりの里らしく、ブドウの新芽というものも食べられているそうです。ブドウの新芽は摘むとすぐしなびてしまうから、まさしく地元だけの味。天ぷらにして食べると、ほどよい苦みが味わえるそう。

甲州勝沼の隠れた名物が、朝市です。ごくごく少人数で始め、初めは、農産物の販売に限っていたためか、人がなかなか集まらなかったそうです。いろんな種類の店を出せるようにしたところ、どんどんと店も人も集まるようになったのでした。

朝市は、毎月第一日曜日にやっているとのこと。(1月は除く) このカフェとあわせて、いつか、行ってみたいものです。

2016/06/01

ふるカフェ系 ハルさんの休日「長野 下諏訪」 自転車と温泉の組み合わせから生まれるもの

まずは、番組の主役である渡部豪太さんが結婚されたとのこと、おめでとうございます。姉さん女房なのですね。

さて、そんな渡部豪太さんが演じるハルさんが降り立ったのは、諏訪湖の近く。諏訪湖は、長野の宝石ともいうべき、豊かな水をたたえる湖です。今日おとずれたのは、諏訪湖の北にある下諏訪町のふるカフェです。

この前の週末に、私は、隣りにある長野県・岡谷市に行ってきたばかりでした。時間があれば立ち寄りたかった。

今日のふるカフェは、下諏訪の湯田町にある、築100年・サイクリストをいやす宿場町カフェです。その名は、「タロウ珈琲弐号店」。住所は、諏訪郡下諏訪町湯田町3447。

店の正面は、縦繁格子(たてしげこうし)の風格が目を引きます。

店の中に、自転車ラックや空気入れがあり、サイクリストにやさしい設計です。建物の中に入ると、細い廊下の空間が続きます。格調高い雰囲気が素晴らしい。

メニューには、熱燗におでん、ビールなど居酒屋メニューが並んでいますが、れっきとしたカフェです。

ハルさんが注文したのは、カリンジュースと納豆そば。付け合わせで出されたのは鹿肉の煮つけ。諏訪地方では、シカ肉を食べることは、「鹿食免(かじきめん)」と呼んで奨励された、という歴史があります。江戸時代は肉食が禁止されていましたが、諏訪地方は食料も乏しく、シカ肉を食べることが許されていた、というわけです。

下諏訪は、中山道の唯一の温泉街として栄えました。今回のカフェは、そんな温泉街の中の置屋だったところを改装して開かれたのです。

カフェのオーナー夫妻は、自転車を通して知り合い結婚したほどの自転車好き。スワンアスロンという大会を主催しています。トライアスロンは、自転車・ラン(長距離走)・水泳の組み合わせですが、スワンアスロンとは、自転車・ランにくわえ、諏訪湖のスワンボートを漕いで競う競技なのです。

古くからの温泉街にも、カフェという新しい風が入ることによって、街全体がよみがえっているようです。


次回は、ワインの名産地・甲州にある、古い旅館(旅籠)を再生したカフェです。

2016/05/27

埼玉県・川口市にある「ふるカフェ」をごぞんじですか?

私も、最近になって知ったのですが。その店の名前は、senkiya(センキヤ)といいます。

川口といえば、古くは鋳物の町。今では、高層マンションが立ち並ぶ町です。西川口などは、少し前までは、「夜の街」として、その名前が全国の物好きたちの間で広まっていました。

そんなおしゃれとは、無縁に思えた川口です。でも、時代の流れでしょうか、女子受けする今風のスポットが、現れつつあるようです。センキヤもそんな、おしゃれスポットのひとつ。

敷地の中には、カフェだけではなく、雑貨屋、イベントスペース、工芸作品展示のスペースなどさまざまな空間が広がっています。

先日も、「第8回みんなの市 春の陶器市」として、食卓を美しく彩る食器が格安で手に入るイベントがありました。「よしざわ窯」というお目当ての店が出ていたので、開場10分後に行ったのですが、すでに100人以上待っていて、結局あきらめて帰ってきた、なんてこともありました。

それはさておき、センキヤのカフェの話。

お店のご主人(といっても若い。30代でしょうか)、その人の話では、実家の植木屋の日本家屋を少しずつ改装して、カフェを始めたとのこと。

NHKの番組に出てくるふるカフェもそうですが、古い建物を少しずつ手を加えて改装していく、ということが重要です。この過程をへることが、お店として成功するためのポイントのひとつなんだと思います。

センキヤの内装はこんな感じ。(クリックして画像が拡大します。)

センキヤの柱
センキヤの天井

NHKの「ふるカフェ」に出てくるような○○造りのような、目だった特徴はないです。でも、日本家屋の良さが生かされた、味わいのある空間だと感じました。

テーブルから見る外の景色























窓が大きく、テーブルからのながめは開放的です。(夕方に写真を撮ったので少し薄暗いかも。)
おいしいコーヒーを飲みながら、ぼんやりと時間をすごすのには、ぴったりのお店でした。

メニューはこちら。(公式サイトの画像にリンク)

不定休だそうなので、事前にご確認ください。
交通の便があまりよくないです。私は、武蔵野線の東浦和駅からバスに乗っていくことをお勧めします。バスを降りたら、目の前に店がありますので。


【追記】
センキヤがEテレのふるカフェで取り上げられました。番組のレポートはこちら

2016/05/25

ふるカフェ系 ハルさんの休日「神奈川県 小田原」

今日おとずれたのは、北条氏が開いた小田原城の城下町、小田原です。

昔は、大工町と呼ばれていた地区にあるのは、築80年、さわやかサイダーが味わえる商家カフェ。その名は、nico cafe (住所は、小田原市栄町2丁目15−26です。)

このカフェは、出桁造り(だしげたづくり)という構造で建てられた、2階建ての家です。出桁とは、軒(のき)を大きく張り出すようにした家の建て方をさします。出桁造りの例

2階は、レンタルスペースだそうで、カフェではないのですが、正統派の和室といった感じ。立派な床の間を見ることができました。

小田原の梅で作ったサイダーがお店の売りです。

小田原の梅の栽培は、500年前、北条早雲の時代にさかのぼることができます。戦国時代には、梅は戦争に携帯するための食べ物だったらしい。

このお店では、オムライスやから揚げ定食といったランチメニューがあります。また、かまぼこ自然薯(じねんじょ)揚げという新名物を売り出しているのも面白い。現代人のかまぼこ離れに危機感をもって、小田原の人はいろいろと工夫しているようです。

小田原では、関東大震災や空襲、高度経済成長をへて、つぎつぎに古い建物が失われていきました。このカフェのある建物も、飲食店などオーナーが変わるたびに、手を加えられ昔の面影が失われていました。そこにきたのが、今のカフェのオーナーです。

建築家であることを生かして、仲間と協力して、建物の再生に取り組みました。そして、もとの商家としての家構えを復元することができたのです。

この商家は、もともとは建具屋さんのもの。建具屋さんが自分たちで建てた思いのこもった家なのでした。

古い地図をみると、このカフェのある一帯には、ほかに左官屋さんや畳屋さんがあったそうです。大工町という昔の町の名前にも、納得。小田原の歴史の重みを感じる放送でした。


次回は、御柱祭りで有名な諏訪町のカフェ。カフェと自転車との意外な接点が見つかります。