2018/02/18

子育ては趣味ではなく、使命です

このツイートが話題になっていました。子育てネタの盛り上がりが気になる、今日この頃です。

3000万円の内訳は、詳しいところはわかりません。本当に3000万円必要なのかは別として、確かに、かなりの金額がかかるのは間違いないでしょう。

この手の話を聞くと、昔のことを思い出します。

私が中学校の頃、30年近く前の話です。歴史の先生が、「娘が大学に行っているので、お金がかかるんだよ。金食い虫だね」という話を良くしていました。この話をする先生は、楽しそうだった記憶があります。

子どもにお金がかかるということは、昔から言われていることです。

子育てを、趣味として考え、お金が損か得かで判断するならば、「貧乏人が手を出していい趣味じゃない。」と言えるでしょう。

でも、私は、子育ては趣味だとは考えません。社会人として、今まで特に大したことをしてこなかった自分が、大切な役割を果たすことができる場面。それが子育てだと考えます。

まとめると、子育ては楽しすぎるので、「趣味だ」とか言っていないで、使命としてぜひやるべきです。

午前中が暖かかったせいで、薄着で午後出かけたら、子どもが鼻水を出してしまいました。2月中は気を抜かず、寒さ対策が欠かせないと反省し、親として成長することができたのでした。





2018/02/15

子育ては単純じゃない

 少し前、「あたし おかあさんだから」という歌の歌詞が、話題を集めていました。

 歌詞の全文は、このページにあるとおりです。

 歌詞を見ていくと、子育てで良くあるエピソードが並んでいます。

  • 早起きをする
  • 子どもが興味をもつ遊びにつきあってあげる 
  • 服も食べ物も子どもにあわせたものばかり などなど
ひとつひとつは、子育ての悩みとして良くあることです。
 でも、「〇〇しなければならない」という「お母さんの義務」として読み替えるとどうでしょう。だんだん追い込まれていく気分になります。

 「あたし おかあさんだから」という言い方は、「お母さんだから〇〇しなければならない」というニュアンスを含んでいるといえるのです。

 ふつうの歌ならば、「でもお母さんは素晴らしい」というエピソードを盛り込むはずです。例えば、こんなツイートがありました。


 私も、この記事を読んで、うるっときてしまいました。
 でも、「かけがえのない、我が子と過ごすひとときを大切にしたい」などという感傷にひたっていられるのも一瞬です。
 日常が容赦なく襲ってくるのです。

 生まれたばかりのころは、授乳とオムツの交換で振り回され
 1歳ころになれば、歩き出し、動きも活発になり、何を言っているか分からないし
 1歳半ともなれば、重くて抱きかかえるのもやっとだし、不満があると大泣きして手を付けられないし。
 大きくなれば、また違った悩みを抱えるのでしょう。

 しかし、子どもが、きのうまでできていなかったことが、できるようになれば、それだけでうれしいものです。今は、次々と新しい単語を言えるようになり、そのたびに「おっ、言えたな!」と喜ぶ毎日。日々、愛らしくなっていくのも、単純にうれしいものです。

 そんな、目の前のわが子に、振り回され、驚き、愛しながら、今日も子育てをするのです。
 
 

 

2017/05/14

ふるカフェ系 ハルさんの休日「京都・吉田山」 谷川茂次郎が作り上げた「みやび」の世界

今回訪れたのは、京都市にある吉田山です。前回の西陣に続いて、京都がとりあげられて楽しみです。

京都にあまり詳しくない私は、吉田山とはどの辺にあるのだろう、と思ってしまいました。妻に聞くと、京都大学のあたりだよ、とのこと。なるほど、銀閣寺方面なのかと理解しました。

めあてのお店は、風情のある坂を登っていったところにあります。店名は、茂庵(読み方は、「もあん」)。住所は、京都市左京区吉田神楽岡町8。

今までハルさんが訪れた店を集めた「ふるカフェマップ」を更新しました。

茂庵を始めた谷川茂次郎

茂庵は、谷川茂次郎という人によって始められました。谷川茂次郎さんは、明治の終わりから、大正、昭和のはじめにかけて活躍した、実業家です。

当時、新聞という新しいメディアが誕生し、その需要は爆発的に拡大しました。谷川茂次郎さんは、大阪で、新聞用紙を中心に扱う運輸業をおこし、大成功を収めたのです。今でも、その会社は谷川運輸倉庫株式会社として続いています。

谷川氏が成功したのは、なぜでしょうか。その理由のひとつは、大阪朝日・大阪毎日などの新聞社と、王子製紙などの製紙会社との間をうまくとりもったからです。一昔前の言葉で言うなら、フィクサーだったのでしょう。

その様子は、弘前大学のこちらの論文にくわしく書かれています。(PDFの17ページ目)

茂庵は、「茶の湯」の文化を大切にする場所です。それは谷川茂次郎さんが、茶の湯に熱心に取り組んだからです。実は、彼に茶の湯をすすめたのは、取引先である王子製紙の社長でした。

茶の湯の心を生かすため、谷川茂次郎さんは、吉田山の山頂に茶室8席、月見台、楼閣など広大な森の茶苑を築きあげました。(茂庵・公式サイトより) 長い年月を経て、今でも残っている建物が、現在のカフェ(茂庵)と田舎席・静閑亭と呼ばれる2つの茶室です。いずれも、京都府の登録有形文化財に指定されています。

彼のすごいところは、茶席だけではなく、住宅開発までやってしまったところです。いまでも、「吉田神楽岡町 大正時代の家並み」として保存されています。

茶の湯を愛した人ですから、その住宅開発にも、みやびな心が感じられます。写真を見ただけですが、植栽や、坂を生かした家並みが素晴らしいです。ここのサイトに写真付きで詳しくのっています。

いつかは、この場所を訪れてみたいなと思いつつ。

では、また。

2017/05/04

ふるカフェ系 ハルさんの休日「群馬・桐生」 あなたは小池魚心という人を知っていますか?

今日訪れたのは、群馬県の桐生市にあるふるカフェです。

桐生市といえば織物産業の中心地。桐生織と呼ばれる絹織物で、有名です。今でも、ノコギリ屋根の工場が現役で動いている町です。

めあてのお店は、糸屋通りにある「(異国調菜) 芭蕉」、住所は、桐生市本町5-345です。今までハルさんが訪れた店を集めた「ふるカフェマップ」を更新しました。

建物の中には、無数の民芸品が所狭しとならんでいます。不思議な雰囲気がただよっています。

建物の中はたくさんの建具で区切られていて、迷路のようです。店内の暗さに目が慣れたら、歩き回ってみるのも面白いかもしれません。

席に着いたら、呼び鈴を鳴らしてみましょう。呼び鈴の音色が席によって違っており、店員さんはその音を聞き分けて、駆け寄ってくるらしいです。

このお店は、小池魚心さんという人が、昭和12年に開いた店が始まりです。小池魚心さんが、その当時(80年前!)に古民家だった建物を買って、店を始めたということです。

お店のイチオシのメニューは、小池魚心さんの代から続く、カレーです。

また、番組では、椎茸まんじゅうもおすすめされていました。ピーマンの肉詰めならぬ、椎茸の肉詰めに、衣をつけて油で揚げた逸品です。

メニューについては、このサイトがとても詳しくレポートしているので、ご覧ください。

かつての店主である小池魚心さんのこだわりが強いので、お店が完成するまでに、20年かかったといいます。

小池魚心さんのこだわりの強さを物語るエピソードとして、次のようなものがあります。人づてに棟方志功に絵を描いてもらったくせに、自分が気に入らなかったので、漆喰(しっくい)で埋めてしまったのです。

10年ほど前に、棟方志功の絵が壁に埋まっていると分かりました。そこで、そのしっくいをはがして、今では、店の中で棟方志功の壁画を見ることができます。しっくいをはがす様子はNHKでも放送したとか。

私は、この番組を見て、小池魚心さんに興味をかき立てられました。調べてみると、桐生市国際交流協会が、桐生の偉人を外国の人に紹介するために作成したパンフレットがありました。

そこで、小池魚心さんについて、いかに心を尽くしてこのお店を運営してきたかが、熱く熱く語られています。(資料はPDFファイルです)

一般的には、講談社の創設者のほうがかなり有名に思えますが、そちらはカンタンにしか書かれていません。その落差がちょっと面白い。

では、このへんで。

次回は、京都の吉田山に広がる茶の湯のカフェです。