2018/04/08

芸術におけるモデルの立場を考えるきっかけ

アラーキーこと写真家の荒木経惟氏のモデルをしていたKaoRi氏が、告白をしました。ヌード撮影の時は、部外者が立ち会うことを望んでいないのに、部外者を入れて撮影されたりした。そういう数々の望まない撮影で、死んでしまおうと考えるほど、精神的負担を受けたというのです。

このKaoRi氏の告白の中でも触れられていますが、現在ニューヨークで開かれている展覧会では、
男性写真家、それも有名な写真家である場合、女性の身体を使った芸術行為への合意形成における力関係を操ることができる、と問題提起している。
とのことです。(引用元)

私もアラーキーの写真展を見に行ったことがあります。でも、その時は、「女性モデルの意思がねじ曲げられて撮られている」なんてことは、考えてもみませんでした。

ただし、そういう視点を持ち合わせたとしても、結局、写真は世に出された形だけが評価の対象となってしまうのです。モデルの意思まで込みで、写真を評価するということは行われにくいと考えます。

だから、撮ったもの勝ち、主導権は写真家にあることになります。

とはいえ、「写真のためなら、モデルの気持ちはぞんざいに扱われてもいい」という考えは誤りだといえます。写真という芸術活動と、モデルの気持ちとの間には、優劣はつけられないものだからです。

そのようなモデルの立場をどうすれば守ることができるのか。契約で取り決めをするというのも一つの考えだと思います。契約によらずに何かできることはないのか。考えてみたいと思います。

2018/04/07

誰も見向きもしなくなったハクサイ 青果の値段あれこれ

Yahoo!ニュースで見たけれど、白菜の値段が急激に安くなったらしいです。1週間で半額になったと聞くと、すさまじい。

今年の冬は、わが家では、白菜を5回も食べたかしら。指折り数えても、片手にもならないくらいだと思います。

1玉800円くらいしていた記憶が。白菜を食べなかった人が多いのではないでしょうか。そして、白菜を食べなくてもどうにか冬を乗り切れると感じてしまった人も多いかも。

もともと白菜の出荷量は、数十年前に比べると60パーセント以下になっているようです。(データ参照元)

さらに出荷量が落ち込むことになるのかどうか、今後が気になります。

このサイトを見て分かったことは、今のサクランボの値段がものすごい高いということ。いちごの9倍の値段だというから驚きです。

むしろ、今の時期からサクランボが出回っていることを知りました。ニュースによると、先週あたりに山梨でも初めての収穫を迎えたそうです。

2018/04/06

救助のために女性が土俵に上がった話題が興味深い

応急措置のさなか、場内アナウンスを担当していた行司が「女性は土俵から降りてください」と複数回アナウンスを行ったことが、非難を浴びました。

その非難に対して、日本相撲協会は、率直に非を認めて、謝罪をしました。

社会の常識にそった、適切な対応だと思います。

「女性は土俵には上がってはならない」というルールがあります。ルールブックみたいに文章として書かれているわけではないのでしょう。

いわゆる暗黙のルールです。ただ、文章になっていてもいなくても、ルールであることに変わりはありません。そのルールがどのような内容を指すのか、解釈をし、実際の場面にあてはめる必要があります。

例外をまったく認めないルールなのか、例外を認めるのか。

ルールをどのようにあてはめるか、そのことまで決まっているのであれば、現場としても楽なのですが。

決まっていないのであれば、実際そこにいる担当者が、まずルールを解釈することになります。

女性が救護をするために土俵に上がるなどという場面は、ほとんどないのでしょう。ですから、担当者が「この女人禁制のルールは例外を認めないものだ」と考えて、その通りに説明したことはやむを得ないといえます。

いずれにしろ、今回の事件で、女人禁制ルールは例外も認められるゆるやかなものだ、ということが明らかになったわけです。その意味で、興味深いできごとです。

2018/04/05

ふるカフェ系ハルさんの休日「東京・あきる野」 多摩の山が生んだ家がいかに素晴らしいか

今回訪れたのは、東京・あきる野市にある洋館カフェです。

武蔵五日市駅から歩いて10分と少しのところに、その建物はあります。カフェの名前は「小机亭喫茶室 安居(あんご)」住所は、東京都あきる野市三内490です。

築142年のすて"木"な、つまりは木造の白い洋館カフェです。いろいろなふるカフェをめぐってきた ハルさんですが洋館は初めて。

雑木林の中を抜けると、白くて可愛らしい、おしゃれな洋館が目に飛び込んできます。

コロニアル様式の建築です。日本でも明治期以降、長崎や神戸などの外国人居留地の住宅で用いられた様式です。

天井は、菱組天井になっています。富岡製糸場にも使われている形です。

建物を正面から見ると洋館です。でも、側面は蔵のように見えます。

玄関を入って、目を引くのが「こて絵」です。こて絵とは、左官職人が漆喰で作りあげたレリーフです。ウサギの絵がかわいらしく、また、雲がたなびいています。

階段の「蹴上(けあげ)」と呼ばれる側面にも、美しい彫刻が施されています。

今は使われていないけれど暖炉があったり、階段を上ると洋間があったり、洋風の要素があります。

内開きのフランス窓や、ローマドーリア式の柱などが特徴的です。

ここで、突然登場したのが、酒井晢さんです。日野市の一級建築士で、古い建物に詳しい方です。

この洋館のような建物は、擬洋風(ぎようふう)建築と呼ばれます。日本の棟梁たちが洋館を見よう見まねで作った建築のことを言います。

擬洋風建築が作られたのはわずか10年間。歴史に残る貴重な建物です。現在では、東京都の有形文化財に指定されています。

メニューはフルーツを添えた自家製チーズケーキとコーヒー。まあ、普通のメニューです。でも、この圧倒的な手の込んだ建物を見たら、それだけで満足しそうです。

ご主人の小机篤さんは、林業をする家に生まれました。この家は、先祖が銀座煉瓦街にあこがれて、マネをして建てたものです。

材木の中には、質は素晴らしいけれど、見た目が悪くて商品にならない材木があります。この家には、そんな材木が使われています。

小机さんは、「山にある木を切り出し、苗を植えることを繰り返すこと。そのことによって山が守られる。」と語ります。

最後に登場したのは、染物職人の森博さんです。黒八丈と呼ばれる染め物を作っています。

この染め物は、「ヤシャブシ」という木、地元の泥を使い、秋川の水を使って作られます。まさに、地元の恵みから生み出される逸品です。

森さんは、一度は途絶えた黒八丈を現代風にアレンジし、今に生かしています。

多摩の山のめぐみが、いかに素晴らしいものか、感動しっぱなしの30分間でした。

次回は、山梨・北杜(ほくと)です。