2018/06/07

ふるカフェ系 ハルさんの休日「栃木・黒磯」マスターとママの魅力の"とりこ"となる

ハルさんが今回訪れたのは、栃木県の黒磯にある築100年の銀行カフェです。

黒磯といえば、宇都宮線の終点であり、東北本線でさらに北に向かうための乗り換え駅です。てっきり黒磯市にあるのかと思いましたが、今では黒磯市は無く、2005年から那須塩原市になっているのですね。

黒磯は、石だらけの街並みです。

石塀があったり、正面は木造に見えても、側面だけ石造りの家があったり。那須連山から吹き下ろす強い風のせいで、昔、黒磯では何回も大火事がありました。そこで、防火・延焼防止のために、石造が用いられたのです。

おめあてのカフェは、全部が石造りです。店の名前は、カフェ・ド・グランボア、住所は那須塩原市本町5−19。

大正モダンを感じさせるこのカフェは、ルスティカ様式の石積みをしています。ルスティカ様式とは、こぶ出しで石に陰影をつける手法。ルネサンス期のイタリアで宮殿建築で多く使われました。

使われている石は、大谷石と地元産の芦野(あしの)石、2つの種類があります。

東京駅にも使われている半円アーチ窓が使われていて、可愛らしい。

ついに自撮り棒を取り出し、高い位置を撮ろうとするハルさん。

カウンターにテーブルが数席と、店の中はそれほど広くないです。でも、格天井(神社仏閣に用いられる格式の高い天井)が使われていたり、かつての銀行としての風格を感じます。

出されたのは、和洋が混ざりあったメニューでした。バターライスに、ひき肉のあんがかかっています。

37年の歴史があるカフェ。元々のお店は、取り壊されてしまったので、今の場所に移ってきました。

マスターのおかげで、この店から、黒磯のジャズが始まったそうです。

最後に、名物ライスの作り方をご紹介。

  1. 豚ひき肉をよく炒め、軽く炒めておいたパプリカ・なす・玉ねぎと合わせる。
  2. しょうゆ・みりんで味付けし、かたくり粉でとろみをつける。
  3. バターで炒めたご飯に大葉を加える。
  4. 盛り付けたら、大葉・白ごま・刻みのりを添えて、できあがりです。










2018/06/06

「女性のアーティスト・研究者は、どのようにキャリアを築いていけばよいのか?」パネルディスカッションをまとめてみた

先日、東京芸大で行われたこの講演会を聞きに行ってきました。(5月26日開催)

第1部は、クローズアップ現代のキャスターをしていた国谷さんの講演でした。ただ、この時は、上野公園で子どもの遊びに付き合っていたので、聞けずじまい。

ちょうど子どもが昼寝を始めたので、第2部のパネルディスカッションから参加しました。

1. データの紹介

まずはじめは、芸術の分野でも、女性の露出が少ないという話から。
Katy deepwell氏の研究成果であるデータをもとに、話が進みます。
  • ドイツの美術大学における教授の割合
  • 画廊における作品のうち、女性作家のもの
  • 美術館の所蔵作品のうち、女性作家のもの
このような項目について、女性が占める割合がいかに低いか、示されました。

この項目について、使われたスライドは、このサイトで見ることができます。

2. どうすれば志を持たせられるか

それでは、芸術系(美術と音楽)の女子学生に、どうすれば志を持たせられるのでしょう。言いかえれば、どのようにキャリア設計を促すことができるのでしょうか。

東京音大では、1970年代から競争原理を持ち込みました。その結果、「せっかく技量を身に着けた女子学生を家庭に戻してしまう」という傾向は弱まりました。ジェンダーバイアスが薄れたのです。

東京音大では、教職員の採用昇進に男女差は無いそうです。

 3.  アーティスト・研究者に必要な力とは何か

芸術分野においてキャリアを築くうえで、不可欠なスキルや知識とはなんでしょうか。また、それらを養う方法にはどのようなものがあるのでしょうか?

東京音大では、音楽を演奏すること以外にも、さまざまなスキルが必要だと考えています。それを、自己のパッケージ化と呼びます。

自分自身を社会の中で活動できる存在に育て、そうした自分を社会に提示していく力が必要だと考えているのです。専門分野ですぐれているというだけではなく、他の分野の能力と組み合わせることで、その人の個性が発揮されます。

東京音大では、ミュージック・リベラルアーツ専攻という学部をもうけています。
この学部では、
  • 高度な専門実技
  • 英語スキルの獲得
この2つを目指しています。英語スキルの獲得とは、「英語による教養科目」「英文による卒論、制作」です。言葉によって発信する力をもつことが、東京音大のめざすアーティスト像だといえます。

このような力をつけることで、当然、音楽以外の他の分野でも活躍できるのです。

こういったカリキュラムは、美術の分野では難しいのでしょうか。ある美大のパネラーは、言語化をすれば良いとは考えていない、言葉を使わなくても自分の世界観を提示できるのではないか、と答えていました。

4. 実現するために必要な環境とは

女性のアーティスト・研究者が、キャリアを築いていくために必要な環境は何でしょうか。

というテーマでパネラーの人が話しましたが、聞き手の私の注意が散漫になってきたので、箇条書き。

  • 女性らしい〇〇という形容は残念
  • 管理職になることは一つの例だがそれだけではない 
  • セクハラ問題は、声を上げて来なかった自分たちの責任でもあるかも 
  • 女子学生が望んでいることは、意外と保守的である。例えば、東京音大卒業生の傾向を見ると、男性は、音楽活動に進む割合が高く、女性は企業に進む割合が高い。
  • 後輩たちへのアドバイスとして、継続すること・冒険することが大事

5. まとめ

国立音大の人だけが、きちんとスライド資料を用意して、アピールをしていたので、自然と印象に残ります。ミュージック・リベラルアーツ専攻にかける熱い想いが伝わりました。

音楽だけではない、プラスアルファの発信力が大切だ、という考え方は、今のSNS(ソーシャルネットワークサービス)時代にもふさわしいものです。

2018/05/25

けっきょくアメリカと北朝鮮の関係改善は無かったことになるのか

韓国と北朝鮮の南北首脳会談が実現したのは、およそ1か月前。(ブログ記事)

結局、アメリカと北朝鮮の首脳会談は、お流れになりました。

5月9日には、北朝鮮で拘束されていたアメリカ人が解放され

5月22日のニュースでは、 中国の物資が、どんどん北朝鮮に流れ始めているということが言われ


こうして、拉致問題は先送りとなりそうです。
アメリカ、中国、韓国、そして北朝鮮、それぞれが自国の利益を実現できたのとは対照的です。

2018/05/24

ふるカフェ系 ハルさんの休日「東京・高尾」店主は、人を引きつけてやまない、魅力あふれる女性でした。

ハルさんがおとずれたのは、東京・高尾にある、1970年代の住宅を生かしたカフェです。

店の名前は、TOUMAI(トゥーマイ)。住所は八王子市館町657。高尾駅から歩いて12分ほどのところにあります。

軒の幅が広くて、雨戸があるのが、70年代の戸建ての特徴です。

2階軒下の換気口は、軒天有孔(のきてんゆうこう)ボードになっています。これは、屋根の中を換気する建築材なのです。

そして1階の換気口は、より古い形をしています。その理由は、後で分かることに。

店の中は、壁がなく、ひろびろ。

レモンシチューという、ふしぎな名前のシチューがメニューにあります。

ここで、オーナーの白川由紀さんをご紹介します。

もともと、この建物は、建築士をしていたお父さんが建てた家です。そのころ、世の中は、ひとりひとりが自分の部屋で過ごす時代になります。

由紀さんの家も、増築により2階ができて、由紀さんは自分の部屋を持つことができました。その部屋の中で、海外への夢をふくらませた由紀さんは、大人になり、海外を飛び回るようになったのです。

そうしているうちに、いろいろ運ばれてきました。

まずは、バタフライピーという青い花からできた、きれいな青色をしたお茶。バタフライピーは、東南アジア・インド原産のマメ科の植物です。

タイではハーブとして、お茶だけではなくシャンプーにも使われているとか。台湾でも、よく見かけるそうです。

バブル崩壊のせいで、就職活動に失敗してしまった由紀さん。お父さんから、「恐れず本当にしたいことをしろ」と言われて衝撃を受けました。

結局、旅そのものを仕事にすることにしたのです。ユーラシア大陸横断のバスツアー、アフリカ縦断のトラック旅を企画しました。

100カ国を回った由紀さんが挑戦したのは、空き家となった実家でカフェを開くことでした。

ここで、先ほどメニューで見たレモンシチューの登場です。これは、西アフリカ地域の家庭料理。由紀さんが、この料理をコートジボワールで食べて感動したことから、お店のメニューになりました。

半分に割ったオクラとトマトが目に鮮やかです。骨つきの鶏肉は、スッとスプーンがとおる柔らかさ。

ここで、レモンシチューのレシピをのせておきます。

  1. まずはレモンをしぼります 。
  2. レモン汁・塩・砂糖・しょうゆ・にんにく・はちみつ・マスタードを混ぜて、タレを作ります。
  3. 骨つきの鶏肉をそのタレにつけて、一晩寝かせます。
  4. 骨つきの鶏肉をタレから出して、焼きます。
  5. 鍋で玉ねぎを炒めたら、4.で焼いた鶏肉と、3.の「つけダレ」に水を足して、鍋の中に入れます。そして、沸騰させます。
  6. なお、5.で煮るときには、月桂樹の葉を入れると良いでしょう。

完成です。

由紀さんのおかげて、心の豊かさを大切にする人たちがカフェに集うようになりました。

由紀さんは、「大丈夫」と言うことで、世の中のムードが良い方向に変わるんじゃないかと考えています。不安を感じている人が、「自分は自分のスタイルで良いんだ」と思ってくれればいいと、由紀さんは願っています。

ここのカフェが、人をそんな気持ちにさせる場になればよい、と考える由紀さんなのでした。